皆さんどうしているかな?
利用者の方それぞれの顔を思い浮かべたりすることが以前に増して多くなってきている相談員Kです。
利用者の方がサポステに来所できない。 この状況を数か月前に誰が思っていたでしょう…
兎にも角にも、文章を書くのが苦手な相談員Kは勇気を持ってブログを書いてみることにしました。
今日はコロナに関することではなく、私の家の本棚から1冊の本を紹介したいと思います。
読書なんてなぁ…という方も、気が向いたら読んでもいいかなって思う1冊の本です。
全く就労と違うものにしてみました。
『ピーチブロッサムへ』(藤原書店)というちょっと女性向きかなと思ってしまう題名の本です。
「英国貴族軍人が変体仮名で綴る千の恋文」という副題で、本の帯には「日本人になりたかった男」とあります。
そしてこの本は小説ではなく、実在したアーサーと鈴木まさのノンフィクション。
アーサーが鈴木まさに出した手紙の数々から成り立っています。
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1982年、アーサーの手紙は東京中野、鈴木まさにゆかりのある家の古い大きな箱の中から発見されました。
鈴木まさの死後、17年間手紙は一度も開けられることもなく、眠り続けていたそうです。その数ざっと八百通!
差出人はすべて英国の貴族アーサーで、日本人の妻である鈴木まさ宛て。
鈴木まさからの手紙は残念ながら英国の方では見つかっていないようです。
第一次大戦から第二次大戦という激動の時代の中で二人は翻弄されていきます。
これが本当にあった誰かの人生と思うと…一人一人の人生の中にはそれぞれの大きなストーリーがあるんだと改めて思えます。
◆アーサー・ハート シノット:英国貴族軍人。しかも長男。家を継がないとならない人。相談員Kから見ると結構おちゃめ?
◆鈴木まさ:東京深川の床屋の娘。現代に生まれていても注目されそうな美人。まじめで堅実化?
(写真も多くあるので、二人のお顔を拝見できます!)
二人は親に大反対されるけど家族に内緒で結婚してしまう。
結婚したものの、時は第一次大戦から第二次大戦。
軍人であるアーサーは色々な国に派遣されてしまいますが、鈴木まさは日本に留まります。
もどかしい…
アーサーは鈴木まさに会いたくて会いたくて、あの手この手で動きます。それが手紙の文面にもあり、『おいおいアーサー、それって…大丈夫か?』ってつっこみたくなる。
おちゃめな面白さも読めます。(アーサーは至って真剣だったと思います。)
相談員Kがとても感心したのはアーサーの素晴らしい筆で書かれた日本語の文面です。
字を書くのがとても下手な相談員Kは頭が下がります。
手紙の内容はもう恥ずかしいくらいの恋文なのですが、それはそれは美しい文字の手紙です。
2人の人間が実際に存在し、時代に翻弄されながらも生きいた。アーサーとまさは、私たちが今、コロナに翻弄されている日本やイギリス、世界で、大戦という激動の時代に恋をし、勇気を持って様々な行動をしたんだろうなあと思います。
読後にほんわかした気持ちで、勇気を少しもらえて本を閉じられる一冊です。
ちょっとした勇気をもらいたいな。と思ったら、この自粛という時間に是非一度読んでみてくださいね。
感想は人それぞれ。
ただただ、私たちの住む日本にこんな人たちが恋をして、そして生きていたんだ。と一瞬だけでも思うのもいいかもしれませんね。
まさかアーサーも自分の書いた恋文が色々な人に読まれるとは思わずに書いていたんですよね。
さて、今のこの状況に翻弄されながらも、私たちあだち若者サポートステーションは皆さんがまた来所できるのを本当に本当に心待ちしております。
早く皆さんの顔を拝見できる日を心待ちにしている相談員Kでした。